2023年に待望の再販が実現したトヨタ「ランドクルーザー70」。無骨なクロカン四駆として長年支持され、再登場後も大きな話題を呼んでいます。本記事では、ランドクルーザー70の歴史と再販モデルの背景、現行モデルのグレード・スペック、最新「ランドクルーザー250」との違い、中古車市場での人気・価格動向、そしてどんな人におすすめかを、中古車販売店の視点でわかりやすく解説します。
ランドクルーザー70の歩みと国内再販の経緯
ランドクルーザー70(通称ランクル70)は1984年に登場したヘビーデューティーモデルです。その名の通り頑丈なラダーフレームや優れた悪路走破性を備え、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として世界中で高い信頼を獲得してきました。日本国内では2004年まで販売されましたが、その後も人気は衰えず、中東やアフリカなど海外市場では継続生産・販売され続けました。
日本国内では2014年、ランクル70生誕30周年を記念して1年間限定の復刻販売が実現します。4ドアバンとダブルキャブピックアップの2タイプが用意され、発売当時の新車価格はバン約360万円、ピックアップ約350万円と比較的手頃だったこともあり、大きな話題となりました。この2014年モデルは約5000台以上の受注を集める人気となり、期間限定生産が終了した後も中古市場で高値で取引されるなど、“幻のランクル”として語り継がれます。
そして2023年11月、ついにランドクルーザー70が国内で二度目の復活(再再販)を果たしました。これはランドクルーザーシリーズのフルラインナップ化(フラッグシップの300系、ライトデューティーの250系、ヘビーデューティーの70系)を目指したトヨタの戦略によるものです。約20年ぶりにカタログモデルとして継続販売されることになり、発売と同時に注文が殺到しました。往年のファンだけでなく、「本格クロカンを新車で手に入れたい」という新たな層からも注目を集めています。
現行ランドクルーザー70(再再販モデル)のスペック・装備
現在国内で販売されているランドクルーザー70は、「AX」グレード単一設定の4ドアバンモデルです。パワートレインは最新の2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン(型式:1GD-FTV)を搭載し、最高出力150kW(204PS)、最大トルク500N・m(51kgf・m)を発生します。先代復刻版で採用されていた4.0Lガソリンエンジン(231PS)に比べると馬力は若干抑えられましたが、その分トルクが大幅に向上しており、低回転から太いトルクを発揮するディーゼルらしい力強い走りが魅力です。トランスミッションも2014年復刻版の5速マニュアルから6速オートマチックに進化し、より多くのユーザーが扱いやすい仕様となりました。
悪路走破を支える機能も充実しています。パートタイム4WD方式を採用し、副変速機(ハイ・ローレンジ)を備えるのは従来通りですが、新たに前後電動デフロックを標準装備。さらにビークルスタビリティコントロール(VSC)、アクティブトラクションコントロール(A-TRC)、ヒルスタートアシストコントロール(HAC)、ダウンヒルアシストコントロール(DAC)といった電子制御の走行安定装置も搭載され、滑りやすい路面や急勾配での走行を強力にサポートします。ブレーキも従来の真空式から耐久性の高い電子制御式に変更されており、ヘビーデューティー車ながら現代の安全基準に見合うアップデートが随所に施されています。
エクステリア(外観デザイン)は一見すると昔の70系そのままですが、細部は現代風にリファインされています。フロントグリルは2014年復刻版のメッキ調デザインからシンプルな黒いメッシュ状に変更され、中央のエンブレムも伝統的な「TOYOTA」ロゴへ。丸目二灯ヘッドライトはアイコニックなデザインを踏襲しつつ、最新のBi-Beam LED化によって明るさと視認性が向上しています。オーバーフェンダーやバンパーは黒色の樹脂製パーツとなり、砂漠や森林など過酷な環境で傷がついても気になりにくく、実戦的なタフさを演出しています。背面には大型の背面スペアタイヤキャリアを装備し、左右観音開きのバックドアと相まって無骨なスタイルを強調しています。
インテリア(内装)は基本設計こそレトロですが、一部現代的な改良が加えられています。ダッシュボードは水平基調で車両の傾きを把握しやすい形状を継承しつつ、シート表皮は合成皮革+ファブリックのコンビ素材に変更され耐久性と質感が向上しました(2014年モデルでは全面ファブリックでした)。内装色はブラック一色の設定で汚れも目立ちにくく、フロアやラゲッジも実用本位なビニール系マットで水洗いも可能な仕様です。オーディオやナビは付属しておらずオーディオレスが基本となりますが、メーカーオプションでシンプルなナビゲーションを装着することもできます。エアコンは昨今の車では珍しいマニュアル式ダイヤルエアコンを採用し、操作系も含め全体的に「昔ながらの道具感」を大切にしたコックピットとなっています。
安全装備については現代のSUVらしく抜かりありません。トヨタの先進安全技術パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準搭載し、プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)やレーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)などを備えています。バックカメラも標準で付属し、大柄な車体でも駐車時の安全確認がしやすくなっています。最新モデルらしく運転支援機能はひと通り網羅されており、「古い見た目でも中身はちゃんと2020年代」という安心感があるでしょう。
スペック面では、ボディサイズは全長4,890mm×全幅1,870mm×全高1,920mm、ホイールベース2,730mmと公表されています。車両重量は約2,300kgとヘビーデューティーらしい重量級ですが、130Lもの大容量フューエルタンクを備えて航続距離を確保しているのもランクル70ならではの特徴です。メーカー希望小売価格は税込約480万円(AXグレード)で、最新安全装備やディーゼルエンジン搭載であることを考えればコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
新型ランドクルーザー250との主な違い
2024年発売の新型「ランドクルーザー250」(250系)は、かつて「プラド」の名称で親しまれたランドクルーザーのライトデューティー系後継モデルです。ランドクルーザー70と同時期に話題となったこの250系と、70系との違いについて主なポイントを見てみましょう。
◇車格・ボディの違い
ランドクルーザー250は現代的なSUVとしてサイズが拡大しており、全長約4,925mm×全幅1,940~1,980mm×全高1,925~1,935mmと、70(全長4,890mm×全幅1,870mm×全高1,920mm)より一回り大きくなっています。とくに全幅は約70~110mmほど250系の方がワイドで、街中で並ぶと存在感が違います。ただし意外にも最小回転半径はランドクルーザー250が6.0m、70は6.3mで、250系の方が小回りが利く設計です。最新シャシーの恩恵で都市部での扱いやすさにも配慮されている点は250系の強みでしょう。また乗車定員も異なり、250系はグレードにより5人乗りと7人乗りが選べるのに対し、70系は5人乗りのみとなります。三列シートが欲しいファミリーユースなら250系一択となりそうです。
エクステリアデザインも両車で性格が大きく異なります。ランドクルーザー250は水平基調のシルエットに丸みを帯びたモダンなエッセンスを盛り込みつつ、要所にヘビーデューティーらしい力強さを感じさせるスタイルです。ヘッドライトは角型基調のLEDランプが採用され先進的な表情ですが、メーカーオプションでレトロな丸目ヘッドランプに変更することも可能となっています(※VXグレード限定オプション)。一方のランドクルーザー70は完全にレトロ回帰志向のデザインで、角ばったボディに丸目ライトという伝統のスタイルを堅持しています。樹脂製の黒バンパーやオーバーフェンダーがオフロード車らしさを強調し、背面のスペアタイヤも含めて“THE ランクル”とも言える武骨さが魅力です。リアゲートに関しても、250系は現代的な上開きテールゲート+独立開閉式ガラスハッチを採用し(ZXグレードでは電動パワーバックドア付き)、使い勝手と先進性を両立しています。対して70系は左右観音開きドアで、レトロな見た目と引き換えに狭い駐車場では開閉にコツが要るなど実用面でのクセがあります。
◇メカニズム・走行性能の違い
走行システムの大きな違いとして、ランドクルーザー250はフルタイム4WDを採用しているのに対し、70系は前述の通りパートタイム4WDです。250系ではトルセンLSD付きのセンターデフを備え、常時4輪に駆動力を配分しつつ路面状況に応じて前後トルク配分を自動制御します。通常走行時は前40:後60の配分でハンドリングと安定性を両立し、悪路ではセンターデフロック(前後50:50固定)によって高いトラクションを発揮する本格システムです。一方、70系は副変速機付きパートタイム4WDのため通常時は後輪駆動で走行し、必要なときにドライバーが4WDに切り替える方式です。シンプルな構造ゆえ信頼性が高く、機械式ロックの前後デフロックと相まって泥濘地や深砂地での“スタック脱出”性能は折り紙付きです。
パワートレーンにも選択肢の違いがあります。ランドクルーザー250の日本仕様は、70系と同じ2.8Lディーゼルエンジン(1GD-FTV型)に加え、2.7Lガソリンエンジン(2TR-FE型)もラインナップしています。ディーゼル車のトランスミッションは最新の8速AT(Direct Shift-8AT)で高速燃費や加速性能が向上し、ガソリン車は6速ATとなります。ランドクルーザー70は先述の通り2.8Lディーゼル+6速ATのみの設定です。両車のディーゼル仕様同士であればエンジンスペックが共通なこともあり、燃費性能にも大差はありません(WLTCモード燃費:250ディーゼル約11.0km/L、70ディーゼル約10.1km/L)。一方、250系ガソリン車は燃費7.5km/L程度とパワフルなぶんやや燃費は劣ります。ガソリンかディーゼルか、ユーザーの用途や好みに合わせて選べるのは250系のメリットと言えるでしょう。
サスペンションやフレーム構造にも違いがあります。ランドクルーザー250は最新のGA-Fプラットフォームを採用し、前輪ダブルウィッシュボーン独立懸架+後輪リジッドアクスル(コイルリーフ)を組み合わせています。加えて電動パワーステアリング(EPS)や前後スタビライザーの電子制御解除機構(SDM)まで備え、オンロードでの快適性とオフロード性能を高次元で両立しています。走行モード切替や高度な運転支援システムも搭載されており、文字通り「最新のランドクルーザー」として隙のない走行性能です。対するランドクルーザー70は基本設計こそ古いものの、長年改良を重ねて熟成されたラダーフレーム+リジッドサスペンションを持ちます。最新モデルではコイルスプリングの最適化やショックアブソーバー改良により、悪路での頑丈さはそのままにオンロードでの乗り心地も意外なほど改善されています。最新電子制御こそ控えめですが、「人間が操って走破する」というオフロードドライブの醍醐味を味わえるのが70系の持ち味とも言えます。
◇内装・装備の違い
インテリア面では、デザインコンセプトに共通点もあります。どちらも水平ラインを強調したインストルメントパネルで、オフロード走行中も車体の姿勢変化を掴みやすいよう配慮されています。メーター類やスイッチ配置も直感的に操作しやすいよう工夫されていますが、ランドクルーザー250の方がより洗練されモダンな印象です。250系では12.3インチのディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)を中心に先進的なコクピットが構成されており、スマホライクな直感操作が可能なインターフェースを備えます(※エントリーのGXグレードのみ8インチディスプレイ)。一方の70系はオーディオレス+シンプルなアナログメーター主体で、必要最低限の機能に留めた潔い設計です。
シートや内装素材にも差があります。ランドクルーザー250ではグレードによって本革シート(一部合成皮革)またはファブリックシートを採用し、内装色もブラックの他に高級感あるダークチェスナット(茶系)を設定するなど、上質さとモダンさを演出しています。対する70系は前述の通り合成皮革+ファブリックのコンビシートで内装色はブラックのみと質実剛健な雰囲気です。また250系は運転席・助手席それぞれで温度設定可能な左右独立式オートエアコンを全車に標準装備し、快適性能でも抜かりありません。70系は昔ながらのシンプルなマニュアルエアコンで、「風量と温度を自分で調節する」というアナログ操作感も含めて味わいになっています。
安全装備に関しては、両車ともToyota Safety Senseを搭載し基本的な予防安全機能は網羅していますが、250系はさらに先進的な運転支援まで備えます。例えば渋滞時支援機能(トヨタ チームメイト[アドバンストドライブ])を上位グレードに用意し、高速道路渋滞時の半自動運転でドライバーの負担軽減を図るなど、まさに最新SUVならではの装備です。70系はそこまでの高度な支援機能こそありませんが、安全性に直結する装備(衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、ヒルアシスト等)はしっかり備えているため安心です。
◇新車価格の違い
新車価格も両モデルで大きく異なります。ランドクルーザー250はグレード展開が幅広く、ガソリンエンジンのベースグレード「GX」は約520万円から、最上級ディーゼルの「ZX」は約735万円まで価格帯に開きがあります。一方ランドクルーザー70はグレード一本化ゆえ約480万円(AX)とシンプルです。装備差や性能差を考慮すると一概に比較できませんが、「最新装備満載のゆとりあるSUV」が欲しいなら予算700万円超の250系ZX、「装備を絞った本格クロカンで十分」というなら500万円未満で70系が手に入る、というイメージです。
総じて、ランドクルーザー250は「現代的な快適性・実用性とオフロード性能のバランス」が特徴で、ランドクルーザー70は「伝統的な堅牢さ・質実剛健さを磨き上げたモデル」と言えます。それぞれキャラクターが異なるため、ユーザーの志向や用途によってベストな選択肢も変わってくるでしょう。
上質さや最新機能を求めるなら250系、シンプルで無骨なカッコ良さを求めるなら70系というのが一つの指標になりそうです。
中古車市場での人気・価格帯とリセールバリュー
ランドクルーザー70は新車のみならず中古車市場でも非常に人気が高い車種です。元々ランドクルーザーシリーズ全般が国内外で需要過多な傾向にあり、新車販売直後からプレミア価格で取引されるケースも珍しくありません。実際、先代プラドにあたる150系や現行300系ランドクルーザーでも、納車待ちの長期化に伴い中古で新車価格を上回る例が報告されています。ヘビーデューティーの70系も例外ではなく、2014年の復刻モデル販売終了後は玉数が限られたこともあって中古相場が高騰しました。年式や状態によって幅はありますが、10年落ち近い個体でも新車時価格に迫る価格で流通していたほどです。
リセールバリュー(資産価値)の高さもランドクルーザー70の特筆すべき点です。中古車買取業界の調査によれば、ランドクルーザー70の5年落ち時点での残価率(新車価格に対する中古価格の割合)は約95%にも達し、トヨタ車全体でも堂々トップの水準となっています。同調査では新型ランドクルーザー250も約82.7%と非常に高い数値を示しましたが、それでも70系のリセールの強さは群を抜いています。市場原理的にも、需要に対して供給が少ない車種は値崩れしにくく、むしろ値上がりすることすらあります。ランドクルーザー70はまさにその典型で、「買ってから数年乗って売却してもほとんど損しない」、「むしろ利益が出た」という声が聞かれるほどです。では実際、中古車としてのランドクルーザー70はいくら位で取引されているのでしょうか。2023年末〜2024年にかけては、新たな再販モデル発表の影響もあり相場が動いていますが、おおむね400万~600万円前後のレンジで推移しています。状態が良好で走行距離の少ない個体やカスタム人気の高いピックアップ仕様などは600万円超えの値が付くこともあり、新車価格を大幅に上回るケースも見られます。一方で年式が古く走行距離が多い個体でも、通常の国産SUVに比べれば高値安定で、下取り査定額も非常に良好です。「古くても壊れにくい」「海外での需要がある」ことから、ディーラーや専門店も強気の買取価格を提示する傾向があります。特に中東やアフリカ方面ではランドクルーザー70系は今なお現役人気車種で、日本から中古として輸出される例も後を絶ちません。そのため国内で過走行になった車でも海外バイヤーが高額で買っていくケースがあり、結果的に国内相場も底上げされている面があります。
新車で購入して長く乗り、その後売却しても高い資産価値を保っている——ランドクルーザー70はまさに「走る投資対象」とも言える存在です。このリセールの強さは維持費や購入価格以上に大きなメリットであり、「クルマ選びで損をしたくない」という方にもランドクルーザーシリーズが選ばれる理由の一つとなっています。
ランドクルーザー70はどんな人におすすめ?
ここまで見てきたように、ランドクルーザー70は唯一無二の個性と性能を持った車です。では実際、どのような方にこの車はマッチするのでしょうか。中古車販売店の視点から、ランクル70がおすすめできるターゲット層をまとめます。
1. 本格的なオフロード走行やアウトドアを楽しみたい人
頑丈な造りと優れた4WD機能を備えるランクル70は、ダートや岩場、雪道といった悪路を走破するのにうってつけです。林道巡りやクロカン走行が趣味の方、キャンプや釣りで人里離れた場所に踏み入る機会が多い方には、信頼できる相棒となってくれるでしょう。「どこへでも行けて、生きて帰ってこられる」というランドクルーザーの開発思想を体現したモデルだけに、いざという時の安心感が違います。ウインチやスノータイヤなど装備を追加して災害時のレスキューや雪国での足代わりに使う方もおり、プロユースにも耐える1台です。
2. レトロで無骨なデザインのSUVが好きな人
近年はSUVブームで多くの車種が登場していますが、ランドクルーザー70ほどクラシックで武骨なスタイルを持つ車は他にありません。角張ったボディに丸目ライト、背面タイヤというスタイリングに惚れ込むファンも多く、「最新の快適装備よりも、この見た目が大事!」という方には唯一無二の選択肢です。現行モデルは見た目こそ昭和のままですが中身は令和の技術でアップデートされており、古き良きルックスと適度な最新技術のバランスも魅力です。昭和・平成の時代に憧れた名車を新車で所有できる喜びは、車好きにとって格別でしょう。
3. 長く乗れるタフな車を探している人
ランドクルーザー70は耐久性・信頼性に極めて優れた車です。適切なメンテナンスを行えば20年以上の長期使用も珍しくなく、エンジンや駆動系も壊れにくいことで知られます。「壊れたら買い替え」ではなく、壊れないから一生乗るというスタンスで付き合えるのがランクル70の良いところです。部品供給も世界中で需要があるため比較的安定しており、古くなっても修理しながら乗り続けるオーナーが多いです。車を単なる消耗品ではなく「相棒」や「資産」と考える方にとって、ランクル70は応えてくれる一台となるでしょう。
4. カスタムベース車を求めるオフロード愛好家
ランクル70はカスタムパーツも豊富で、自分好みに仕上げる楽しみがあります。リフトアップやオールテレーンタイヤへの交換、ルーフラックやサイドオーニングの装着、追加ライトやバンパー交換など、オフロード4WDカスタムの定番メニューが充実しています。エンジンや足回りがシンプルで弄りやすく、DIYで手を加えるオーナーも少なくありません。中古市場では既にリフトアップ済みやオーバーフェンダー公認取得済みの車両も見られ、購入後すぐ自分の趣味に合ったスタイルで乗れるものもあります。「自分仕様に育てていく楽しみ」を味わいたい方にはランクル70は格好のベース車と言えるでしょう。
5. 将来的なリセールバリューを重視する人
先述した通り、ランドクルーザー70はリセールバリューが極めて高い車です。他の車では購入後年数が経つにつれて価値が大きく下がるのが普通ですが、ランクル70の場合は値下がり幅が小さく、むしろ年式が進んでも一定の需要があります。そのため「将来売ることまで考えて車を選びたい」という賢い買い物志向の方にも向いています。もちろん相場は市場動向に左右されますが、少なくとも平均的な国産SUVよりは有利に資産管理できるでしょう。「クルマを買う=お金が減る」という常識を良い意味で覆してくれる存在です。
以上のように、ランドクルーザー70は本格クロカン志向の方からデザイン重視の方、堅実な方まで幅広い層にアピールポイントがあります。ただし、最新の乗用SUVと比べると装備の簡素さや乗り心地の硬さ、車体の大きさゆえの運転のクセなど、万人向けではない点も事実です。普段使いの快適性を重視するのであれば、兄弟車であるランドクルーザー250や他の都市型SUVの方が満足度は高いかもしれません。一方でランクル70にしかない魅力に価値を感じるのであれば、その満足感は何物にも代えがたいでしょう。購入を検討されている方は、ご自身のライフスタイルや目的に照らし合わせて「これぞ自分の求める一台か?」をぜひ見極めてみてください。
ランドクルーザー70は復活を遂げた今もなお、日本のみならず世界中で支持される特別なモデルです。そのヘリテージに裏打ちされた信頼性と存在感は中古車市場でも色褪せることがありません。興味を持たれた方は、ぜひ実車をチェックしてみてください。当店ではランドクルーザー70を含むランドクルーザーシリーズの中古車も取り扱っておりますので、ご相談や在庫確認などお気軽にお問い合わせいただければと思います。長年愛せる相棒として、ランドクルーザー70はきっと期待に応えてくれることでしょう。
参考情報・出典:
トヨタ公式プレスリリースglobal.toyota gazoo.com、GAZOOニュースgazoo.com、トヨタモビリティ神奈川toyota-mobility-kanagawa.jp、旧車王ヒストリアqsha-oh.comほか。