2023年発表の新型「ランドクルーザー250」。高い耐久性と世界的な人気に支えられ、将来的な資産価値(リセールバリュー)も非常に注目されている。以下では、10年後の残価率予測や中古相場動向、他モデルとの比較について詳しく解説する。
10年後の予測残価率(リセールバリュー)
ランドクルーザー(ランクル)250は発売直後からリセールバリューが高い車種として期待されており、10年後でも残価率約50%前後を維持するとの予測が多い。これは一般的な国産車の10年落ち残価率(10~20%程度)を大きく上回る水準です。実際、先代モデルにあたる150系プラドでは「10年落ちでも一般的な車の3年落ちに匹敵する」高いリセールを保っており、ランドクルーザーシリーズ全般にその傾向が見られます。たとえばランドクルーザー200系(フルサイズSUV)では、10年落ち時点の平均残価率が約48.4%にも達し、グレードによっては64.8%という驚異的な値を示しました。一方で最も低いグレードでも約37%を確保しており、全体としてランドクルーザーは経年劣化による価値下落が極めて緩やかな車種と言えます。
他モデルとの比較では、ランドクルーザー300(300系)も高い資産価値を維持すると予想されます。発売から年数の浅い300系は現時点で実データが少ないものの、5年後残価率は約80%以上になるとの見方があります。10年後についても、従来型ランドクルーザーと同程度の50%前後を見込む専門家が多く、ランドクルーザー250と大差ない水準になるでしょう。また先代ランドクルーザープラド(150系)は、モデル末期でもリセールが極めて良好でした。中古車買取チェーンの調査によれば、150系プラドは1年落ちでほぼ新車同然の残価率99%、10年落ちでも50%近い価値を残すと報告されています。このように、ランドクルーザー250・300・150系プラドのいずれも10年後に初期価格の半値前後を維持する可能性が高く、SUV市場でもトップクラスの資産価値が期待できます。
▼ 各モデルの価格と10年後残価率予測(例)
モデル | 新車価格(目安) | 10年後予想価格 | 残価率(予測) |
---|---|---|---|
ランドクルーザー250(2024年式) | 約520万円(VX系) | 約260万円 | 約50% |
ランドクルーザー300(2021年式) | 約730万円(ZX系) | 約350万円 | 約48% |
ランドクルーザープラド150(2013年式) | 約450万円(TZ-G系) | 約225万円 | 約50% |
注:上記はグレードや市場状況を考慮した概算です。ディーゼル車など人気仕様は残価率がさらに高くなる傾向があります。
中古車市場での価格推移傾向
ランドクルーザー250および300系は、新車発売直後から中古車市場で新車価格を上回るプレミア価格が付く異例の展開を見せています。ランドクルーザー250は納車待ちの長期化による供給不足もあり、新車が約800~1000万円※にもかかわらず中古転売価格が1200万円以上で取引されるケースが多発しています
(※グレードやオプション込みの想定価格帯)。この傾向は新型車発売直後にピークを迎えやすく、ランドクルーザー300でも発売から1~2年の中古相場は新車比130~140%に達しました。例えばランドクルーザー300 ZX(ガソリン)は新車価格約730万円に対し、2年落ち時点の買取相場が約985万円(残価率134.9%)という状況でした。
しかし中古相場はやがて調整局面を迎えると予想されています。プレミア価格はトヨタの生産体制整備や納期短縮によって徐々に落ち着く見込みであり、中長期的には通常の高リセール水準(=新車比80~90%程度の数年落ち、50%前後の10年落ち)へ収束していくと考えられます。実際、150系プラドの中古相場でも新型(250系)発表前後の動きが顕著でした。2023年秋頃にかけて一時下落傾向にあったプラドの買取価格は、2024年2~6月に転じて上昇し、特に4月以降は急激な高騰を見せました。これは新車の納期遅延や世界情勢による生産遅れで「新車を待てない層」が中古に流れたことが要因と分析されています。このように、ランドクルーザー系の中古価格は新車供給状況に強く左右され、短期的には乱高下するものの、長期的な下落幅は小さく安定している点が特徴です。
モデルの希少性・人気度が資産価値に与える影響
ランドクルーザーシリーズは世界的な人気と希少性が資産価値を押し上げる大きな要因となっています。需要に対して供給が限られる状況下では、市場原理により中古価格が高騰しやすくなります。トヨタがランドクルーザーの抽選販売や転売禁止策を講じるほど、購入希望者が殺到している背景には、中東やアフリカをはじめとする海外マーケットでの根強い需要があります。特にランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰って来られる車」として70年以上にわたり培われてきた信頼のブランドであり、そのブランド価値と唯一無二の存在感が中古車でも高く評価されます。
また、生産台数の少ない特別モデルは希少性ゆえに資産価値がさらに上昇します。代表例がランドクルーザー70系の再販モデル(限定復刻)で、わずかな販売数だったことから5年経過時でも残価率約95%という驚異的な値を記録しています。ランドクルーザー250も初年度は「ファーストエディション」という特別仕様車が設定され、限定感が付加されています。こうしたモデルは将来的にコレクターズアイテム化し、中古市場で新車時以上のプレミアが付く可能性があります。事実、ランドクルーザー250は発売時点で既にトヨタのリセールバリューランキング上位に名を連ねており、5年後残価率82.7%(トヨタ車全体で第2位タイ)と予測されています。これはフルサイズの300系ランドクルーザーと同率であり、人気と希少性が資産価値に直結していることを示しています。
なお、新型モデルの登場で旧型の中古価格が下がるのは一般的ですが、ランドクルーザーの場合その下落幅は限定的です。ユーザーからも「新型プラドが出回り始めても、旧モデルでも需要が高いから大幅には下がらない」との指摘があり、実際に150系プラドはモデルサイクルが長期に及んだにも関わらず高値安定を保ちました。これらの点からも、ランドクルーザー250の資産価値はモデルチェンジや時間経過に左右されにくい強さを持つと考えられます。
維持費・耐久性・信頼性と資産価値の関連性
ランドクルーザーが高い資産価値を誇る背景には、車両そのものの耐久性・信頼性も深く関係しています。ランドクルーザー250は「高い耐久性と信頼性から国内外で非常に高い人気を誇る」と評価されており、長年乗り続けても壊れにくく性能を維持できる点が中古でも高く買われる理由です。オフロード走破性や頑丈なボディに定評があるため、10年落ち・10万km超の個体であっても需要が途絶えにくく、中古車オークションでも高値で取引されています。トヨタの造り込みによる信頼感や部品供給体制の充実も、オーナーからの支持と高い再販価値につながっています。
一方で、ランドクルーザー系は維持費の高さも考慮すべき点です。車重が重くエンジン排気量も大きいため、燃料消費や自動車税はコンパクトカーに比べて高額になります。ユーザーの中には「10年後のリセールが良いプラドだが、年間の維持費が高いので購入に踏み切れない」といった声もあります。特にガソリン車は燃費が平均してリッター7~8km程度と燃料費負担が大きく、タイヤなど消耗品も大型ゆえに高価です。ただし、この維持費の高さはある意味「需要者が選別される」ことにつながり、本当にランドクルーザーを必要とする層(趣味層や業務用途)に中古が行き渡るためリセールが安定するとの見方もできます。ディーゼル仕様はガソリンより燃費が良くトルクも勝るため海外人気が高く、結果としてリセールもガソリン車以上に良好です。実例として、2015年式プラド TZ-Gディーゼルは新車約475万円に対し下取り約304万円(残価率63.9%)という高値が付いており、同年式ガソリン車(グレード「G」)の36%と比べて圧倒的な差が出ています。このようにパワートレインの選択やメンテナンス状況も資産価値に影響するものの、総じてランドクルーザー系は歳月を経ても堅実な価値を維持できる耐久性・品質を備えていると言えます。
専門家や中古車査定業者の予測・見解
中古車業界や自動車専門メディアからは、ランドクルーザー250の資産価値について非常に明るい見通しが示されています。中古車情報大手のカーセブンは「ランドクルーザープラドは10年落ちでもなお50%前後の残価率を維持している」と報じており、新型250系についても同等以上の高リセールを期待できるとしています。また、ユーカーパックによる2025年版リセールバリューランキングでは、ランドクルーザー250がトヨタ車中第2位タイにランクインし(1位は限定再販のランドクルーザー70)、5年後残価率82.71%という突出した数値が公表されています。これはフルサイズのランドクルーザー300と並ぶ値であり、発売直後から業界内で資産価値の高さが織り込み済みであることを示します。
自動車評論家の間でも、「ランクルシリーズのリセールの良さはもはや伝説的」といった評価が多く聞かれます。実際、著名な自動車誌『ベストカー』の萩原文博氏は「10年乗っても値段が落ちない、高い下取り価格が付くクルマ」としてプラドを紹介し、その残価率の高さを“驚異的”と表現しました。また別の専門サイトでは「世界の需要を満たすスペックであれば新型もリセールは良くなる。新型だから良いわけではなく、需給バランス次第だ」との分析もあり、ランドクルーザー250もそのスペックとブランド力から世界的需要が続く限り高い資産価値を維持するだろうと見られています。もっとも、一部の専門家は現状のプレミア価格について「供給が安定すれば相場は落ち着く可能性がある」と指摘しており、短期的な急騰は永続しないものの長期的に見れば他車種比で非常に高い残価率を保つという点で意見は一致しています。
総合すると、トヨタ・ランドクルーザー250の将来的な資産価値は極めて高い水準で安定推移する可能性が大です。他のランドクルーザー300系や先代プラド150系と比較しても遜色ないリセールバリューが期待され、10年後でも市場で有力な「高値が付くSUV」であり続けるでしょう。ランドクルーザーというモデル自体が「買っても損しにくい」資産性の高さで知られており、250系もその例に漏れません。もっとも、維持費や初期購入費用も踏まえ、自身のライフスタイルや予算と照らし合わせて検討することは重要です。それでもなおランドクルーザー250は「将来まで価値が残るクルマ」の筆頭格と言え、多くの専門筋が最高ランクのリセール評価を与えています。
参考文献・出典:
- ランドクルーザープラド中古車の高残価傾向に関する分析bestcarweb.jp
- リセールバリューに関する業界データ(ユーカーパック調査 他)ucarpac.com
- 新型ランドクルーザー250の転売市場動向premium-cars-life.com
- グーネット中古車相場レポート(ランドクルーザープラド)goo-net.com